リサオのスクール探訪その1:エイミンゴルフアカデミー

スクール
2017.05.26

こにちは、リサオです。

 

さて、迷えるゴルファーがどこに駆け込んだらいいか、揚げ足取りで疑り深いわたしが実際にレッスンを体験して、生徒目線で紹介する
 

ゴルフスクール探訪!

 

記念すべき第1回は、エイミンゴルフアカデミー上田栄民プロです。

 

手に持ってるのは風船。そのナゾはのちほど。

 
 
エイミンゴルフアカデミー外観。
今回お邪魔したのは、多摩市のショッピングセンター、クロスガーデン多摩の3F。他の場所についてはHPご参照のほど。

 

スクール内部。全6打席。

 

SKYTRAK、M-Tracer、スイングナビと、計測機器も充実。

 
 

では、まずは上田栄民プロの基本情報から。

 

上田栄民(うえだえいみん)。1964年11月10日生まれ。身長188cm。
大きいし、いかついし、発する言葉は常に熱を帯びていて、遠くからでもすぐわかる熱いオトコ。でもゆっくり話してみると冷静沈着な理論派だとわかる。生徒の上達を心から願い、相手がきちんと理解するまで根気強く丁寧に教えてくれる先生です。

 

●ゴルフを始めた歳:10歳
●他に経験したスポーツ:水泳、柔道、野球、バレーボール(中学高校)
●学生時代の夢:国語か社会の教師(3年B組金八先生の世代なので)。
●始めたきっかけ:父親(ハンデ7)。練習場に連れて行かれて好きに打たせてもらえた。父は尋ねられない限り自ら教えることはなかった。このときの、強制されて上手くなるのではなく自分で気づかなければ意味がないという考えは今の自分の教え方にも生きている。父の重たいパーシモンで野球打ちだったのでスライスしか出ず、うまくいかないことで余計に没頭した。
●コースデビュー:アメリカに留学中、19歳のとき。OBもない、たった$8のコースで(30年以上前)、初スコアは107。それ以外100打ったことはないそうです。感じ悪いわ(笑)。
●本気出したのは:サラリーマンになってから。『風の大地』の舞台、鹿沼カントリー倶楽部の会員権を父から譲り受けた。1年でシングル。感じ悪いったら(笑)。
●ティーチングプロになった経緯:どんどんハマって上手くなったし、もともと教えることが好きだったので、ゴルフの面白さを伝えたいと思った。なので最初からツアープレーヤーではなくティーチング志望だった。富士ロイヤルカントリークラブで研修をして、30歳で日本プロゴルフ協会(PGA)の資格を取得。現在ティーチングプロA級と認定ジュニア指導員として、PGAで講師も務めている。
●好きな選手:人として好きなのは青木功。体格が同じなので研究対象としてはニック・ファルド、プレーヤーとしてはアーニー・エルスとタイガー・ウッズ。
●好きなコース:太平洋クラブ御殿場コース、八王子カントリークラブ、都ゴルフ倶楽部。
●得意なトラブルショット:グリーン奥、左足下がりからのロブショット。
●初級者にお薦めのコース:ショートコース、フラットなコース。例)都ゴルフ倶楽部。
●練習に最適なクラブ:アドレスしたときに自分が一番楽に立てるクラブ。
●ゴルファーに多い勘違い:前傾姿勢のキープ(体全体ではなく股関節から)。インサイドイン(手ではなくヘッド)。脇を開けない(肘を締めることではない)。ボールをよく見る(ボンヤリ視界に入っていればよし)。
●18H全ショットがシャンクでゼツボーしてるひとへの即効薬:フェースを開いて構える。シャンクが出ると閉じて構える人が多いが逆効果。シャンクの原因はいろいろあれど、どのケースでもとりあえずフェースを開く。開いたものは閉じたくなるという人間の性質を利用する。
●エイミンゴルフアカデミーに通ったら特に目からウロコが落ちそうなタイプは:情報過多でこんがらがっているひと。また、女性のことを想像ではなく体感してわかっている女子プロも所属しているので、女性や初心者も安心です。
●青木功ばりの手打ちな人が来たらどうするか:うーん(笑)。絶対にこのやり方でやるって言われたら、クラブの動きを教える。それで、どうにもできない手首の動きとかをしていたらそれは変えてもらうようにお願いします」
●スイング改造中にラウンドするときの注意点:やろうと思っていることをやれるかどうか、結果を気にしないでいられるかどうか、やろうとしている動きができるかどうかに集中すること。
●基本理念:「スイング軸は神様」「ボディターンの横回転」

 
 

続いて、初心者メインで、指導の流れをば。

 
まず問診票(スイングカルテ)に記入。お互いを知ることが重要なのです。

 
グリップをぎゅっと握ってほしくないので最初にグリップは教えない。カタチを気にしなくていいよう、モデルグリップを使う。

 

そしておもむろに風船を膨らます。

 

はい、これがスイングです。

 

「スイング軸は神様」
「ボディターンの横回転」
 

呪文のように繰り返す。

 

「はい、じゃあ風船持ってみて」

「ああー、そう来たか(笑)」
「あかんですか?」
「風船をぎゅっと持ってるから風船がつぶれてるね」
「ほんまや」
「そのまま体を回すと腕はどこでも好きなとこいっちゃうよ」

 


「わ!先生!ワキがアマアマです!」

 
「そうだよね。ぎゅっと持つと手が自由に動いちゃう。腕のカタチをキープするだけだよ。押さえつけるんじゃなくてね。ものを持つときはそのカタチを維持するのが大事。風船の輪郭をふわっと抱えるだけ。そうすると手は動かせなくなる。これは手を動かさないようにする練習ですからね」

 

ものを持つ=カタチを維持する!そんなん考えたことなかった!わたし、ありとあらゆるものをギュっと握りしめて生きてきたんだわー!ひーっ!
 

そりゃあ人生もこんがらがるわよね。あーあ。ゴルフから人生に思いをはせたわ。

 

気を取り直して、さて。ふわっと支えて〜クルッとまわると
「あらほんと。体の回転にいろいろついてきた」

 

「力を入れて準備するとその力を使ってものを動かそうとする。持つことに力を使うんじゃなくそのカタチを維持することに力を使えば、維持という意識が働いた時点で手だけ勝手に動かすことはなくなる。最初にグリップを教えないのも同じこと。力を入れて欲しくないんだ」

 

そういえば、否定形の思いって達成するのが難しいのよね。「〜しちゃダメ」って思うと逆にその〜に意識がいっちゃうから。「右に打っちゃダメ」より「左に打とう」のほうが達成しやすいんだって。この場合も「手を使うな」って器用な子には案外難しいことだから、勝手に手が使えない体勢にしとけばよいってことですね。納得。

 

「あとは実際に打ってみせる。それを見てどう感じたか聞いて、そのイメージ通りやってもらう。結果を見て、また、そこで足りない部分を補っていく。これの繰り返し」。ガチガチにカタチを作るのではなく、そのひとがどう動きたいかを見極めて、動きたいような動きのなかに正しい動きを入れていく。「そのひとらしいスイングになるのが大事だから」。曰く、腕はクラブを持ってるのが仕事。まずは自分の体を動かすことを覚える。止まってるボールを打つのに体を動かしていいと思ってる人が少ない。だから体をとめてなんとか手で打とうとする人が多いんだそうだ。でも実際は、大きなものを動かすと細かい動きをしやすくなる。「小さいボリュームのつまみより大きいつまみをまわすほうが細かい調整ができるでしょ?手先では微調整できないんだよ。大きいツマミを動かすことを覚えると後が楽だよ」。

 

「体の動きがクラブにどう伝わるかは画像で見せます。どれぐらいの大きさで動かしたら理想の動きになるのか。脳と実際の動きのギャップを埋める作業をしてもらうために。カラダの正面に手とクラブが常にある動きを体得すると、そこから体の回転速度を上げていけばヘッドはどんどん遅れてくるから、クラブを振るって感覚がわかる。腕もクラブも振られるもんだということを体感させるんです」
「体が先行って腕は遅れて。。。振り遅れにならない?」
「振り遅れっていうのは飛んでくる球に対する表現だからゴルフでは振り遅れというものはないんだよ。体の正面から外れてるだけ。手がおいてかれてるだけ。その場合僕は『遅くまわれ』と指導します。体を遅くすれば腕は間に合うでしょ」
 

へええええええ!その発想はなかった。
 

「遅くするのやだ(笑)。速くまわりたかったら筋トレしろってこと?」
「筋トレよりも、すごく軽いクラブを振るほうが効果的。ヘッドスピードのあげかたがわかるよ」

 

エイミンゴルフアカデミーではあらゆるスペックのクラブをおいている。クラブが変わったらどうなるのかわかってもらえるし、成長に合わせて当然クラブも変わるからだ。女性だからLシャフトといった考え方はしない。フィッターの感覚で、そのひとに合ったクラブを探し出そうとしてくれるのはありがたい。

 

「初心者以外でも基本は同じ?」
「同じだね。スイング軸は神様だし、横回転のボディターンだし。ただ、中級ぐらいだと、そのひとのスイングを見て、思い込みや勘違いからの動きを取ってあげる。前傾角度のキープもそうだよね。股関節からが正しいのに体全体でやってしまったり」

 

「あと、リサオのスイングプレーンにはヘッドじゃなくてシャフトがのっちゃってるね。クラブヘッドが動く軌道上に水道管があるとイメージして、水道管の中でフェース面がずっとボールを見てるような意識にすると変わってくるよ」。え、え、なになになに?なんか難しいこと言われたよ。でも確かにヘッドに対してそこまで気にしてなかったかも。気にしなさいよ、ボールが当たるとこなんだから。ほんとにもう。

 

「回転していて大切なのは、ちゃんと1回アドレスの位置に戻ることなんだよ」

 

「アドレスの位置に戻ることを飛ばすから、腰だけひねるようなへんな動きになっちゃう。上半身と下半身が切れちゃうんだよね。回りすぎるぶんにはかまわないの。最終的には股関節が入ったところ。縦長の長方形がまわるイメージだから、キュっと回そうとしたら絶対倒れる。僕みたいに背の高い人は崩れやすいからゆっくりまわる。背の低い人は長方形が長くないから速くまわしやすい。でも、非力な女子が速く回そうと思ったら手首が折れるし脇があいたりするから、軽いクラブを使ったほうがいい。飛ばせるからってシニア用のを使うのはよくないよ。昔のもだめ。最新の軽いクラブを使ったほうが上達が早い」

 

「ウチではスイングを完全に作り替えるために、物理からくる理想のスイングを説明する。でも、こうしなさいとは言わないよ。何を正しいと思っていてどうしたいかまず聞きます。ただ、プレーヤーは原因を究明しても仕方ないの。原因究明とミスの防止はプロの仕事。正しいスイングや理想を探すのではなく、理想を知って覚えるのがプレーヤーの仕事。なのでレッスンは重要です。ゴルフの先生の仕事は、物理をいかに国語に変換するか。感覚(パーソナル)をいかに言葉(ソーシャル)に変えるか。そこに尽きると思ってる」

 

「実はね、ゴルフは球技じゃないんだよ。球を使うスポーツだけど、器械体操に近い。だってロボットにできる動きでしょう?つまりカタチをつくるスポーツ。物理に即したカタチを覚えれば球は真っ直ぐ飛ぶ。だから感性のないひとにはカタチを教える。感性のあるひとにはコツを教える。エイミンゴルフアカデミーの基本とは違うけど、手打ちもアリだよ。例えば体の硬い人には手の動きを混ぜる。ナナメじゃなく横に振る手打ちならよし。でも世の中には正しいことだけいうプロが多い。中和できないとね。かぶって入るひとにはすくい打ちしろって言っていいの。すくおうとしてミスをしたら、そのときまた上手なすくい方を教えられるんだから」

 

エイミンゴルフアカデミーのコースレッスンでは、生徒に連続素振りをさせて、その間にスッとボールを置いて打ってもらうんだそうな。餅つきの相の手みたいでちょっと怖い気もするけど、生徒からすれば、力まずに打つ最適な方法。私が生徒なら逆に異常に緊張するけどね。事件を起こすタイプだから。真剣白刃取りバリの緊張感に打ち震える。
 

「打ち直しをさせることがコースレッスンの目的。芝生の上での成功体験をさせる場だから。練習場の100発よりそのほうがよっぽど大事。結局のところ、ゴルフを続けるかどうかは成功体験でしかないんだからね」。

 

体験してみた感想。栄民先生、とても深かった。目からウロコの話をいっぱい聞きました。しかも、私が記事にするからじゃなく、きっと誰に対しても同じ態度、同じ丁寧さでとことん疑問に答えてくれるひとだと思う。真摯なひと。ありがとうございました。勉強になりました。そんでもってわたし、またちょっとこんがらがってるのでよろしくです。

著者

関連するキーワード

カテゴリ
お知らせ(68)
コラム(344)
メディア掲載(28)
メーカー紹介(8)
ニュース(10)
試打インプレション(19)
フィッティング(37)
大蔵ゴルフスタジオ世田谷(4)
製品情報(22)
試打会(1)
業界ウラ話(6)
スクール(2)
ふるさと納税(1)
大蔵ゴルフスタジオBlog(1)
PXGシリーズの詳細はこちらから
エイミンゴルフアカデミー
ランダムゴルフアカデミー世田谷